こんにちは、Ocarです。
この記事は、
✔ お子さんの、連絡帳やノートに書いている字が汚くて読めない・・・。
✔ 文字がマス目や行からはみ出しまくっている!
✔ お子さんの書く文字のかたち自体が、間違っている気がする。
というママ・パパに向けて書いています。
最後まで読むと、
・お子さんが文字をきれいに書けない理由の一端が見えてきます。
・どのように文字の練習をするのが向いているかが分かります。
・文字の練習と一緒に取り組むと、機能面での発達が期待できるプリントが無料で入手できます。
お子さんが、漢字テストや書き取りの宿題で、どうもとても苦労しているようだと感じている場合
ただの練習不足・努力不足ではなく、何かの「認知機能」の発達に凹みがあるかもしれません。
そう言われると、
「え・・・?うちの子、発達障害?」
「学習障害っていうのもあるんでしょう?」 など
一足飛びに結論に飛びつきたくなりますが、そこは焦らずひとつ深呼吸をして、もしかしたらこういう可能性も?という考え方の一つとして記事を読んでいただけたら幸いです。
お子さんが文字を正しく書けない理由
その① 見る力が弱い場合
お子さんのその様子、見る力が弱いかも?
「見る」という認知機能に弱さがあるために、
文字の「かたち」を理解できていない
かもしれません。
「かたち」かあ~
お子さんの字が汚いと思っているママ・パパは
もっとていねいに書きなさい!
ゆっくりでいいから、お手本をよく見て書きなさい!
と、口を酸っぱくして言っていますよね。
かくいう私も、もれなくその一人でした!でも、いくら言ってもたまごちゃんは委縮するばかり。むしろ、怒られてばかりの「書く練習」は避けるようになりました。
そんな時、別のきっかけがあって受診した児童精神科で、WISC-Ⅳ(ウィスクフォー)という知能検査を受ける機会があり、たまごちゃんは能力の発達に凸凹があることがわかったのです。
今思うと、苦手なことに懸命に取り組むたまごちゃんに、「できていない」ことを「できていない」といちいち指摘して「教えているつもり」になっていただけだったと、とっても反省しています。
なんだかうちの子、ただ字が汚いというだけじゃなくて
ていねいに書いているのに、形が崩れてしまうみたい・・・
そんな風に感じる場合は、「見る力」の弱さが隠れている可能性があります。
この記事を読み進めながら、お子さんの困りごとがどんなところにあるのか、ぜひ注意深く観察してみてください。
出来てないよ!って言われたって
どうすればいいか、わからないよね!
ごめんね、たまごちゃん。
もういいよ。
字の書き方は、違うやり方で教えてほしいな!
見る力が弱いとは、どういうことか?
わが家のひとり息子”たまごちゃん”は、WISC-Ⅳで検査した結果 知覚推理指標(PRI)だけが
ほかと比べて突出して低い、発達凸凹、グレーゾーンと言われる状態でした。
(このサイトでは、グレーゾーン⇒カラフルキッズと言い換えています)
この知覚推理指標(PRI)が低いというのは、そのものずばり「見る力」「視覚認知機能」が弱いと言えます。
??視力が悪いということ??
とも思いますが、そうではありません。(たまごちゃんも、視力は両目1.5です!)
「見る力」とは、「見たものから、正しく情報を得る」だけでなく、「見た情報を、手や体にアウトプットする」ところまでを含めた「見て、動く」ための複合機能ということになります。
「見る力」が弱くても、「文章を読む」ことはそんなに苦手ではないし、むしろ習っていない字も読める、という場合もよくあります。「見る」インプットから「動く」アウトプットへ、という「目」と「体」のチームワークがうまくいっていないイメージですね。
つまり、文字を書く上で「見る力が弱い」というのは、
✔ 見たものを、見た通りに真似することが苦手
⇒お手本通りに書けず、間違ったかたちで書いてしまう
✔ 自分の手が、行やマス目のどこにあるのかを把握することが苦手
⇒行やマス目を大きくはみ出したり、小さすぎたりする
などという、「困りごと」を抱えていることになります。それなのに、幼稚園や学校で文字を習う場合、
お手本をよく見て書きましょう!
△をもらった字は、お手本とどこが違うかよく見てね!
お名前は、四角の中にきれいにおさまるように
ていねいに書きましょう!
など、「具体的にはどうやればいいか」の説明なしに「見て、真似する」能力、「見て、手の動きを調整する」能力を駆使して授業についていく、ということが多いのです。
大人で言えば、
私、ダンスが苦手なのよね・・・
はい、いま先生がやってみせた振り付けを、
ひとりずつ前に出て発表してみてくださいね!
え!さっき一回やって見せてくれただけじゃん!
無理無理無理無理むっり!
あ・・・でもやらなきゃいけない感じね??
くそー!おりゃー!
あ、Ocarさんは
先生のお手本とぜんっぜん違いますね。
とくに、手とおしりの動きがぜんぜん違いましたよ。
ちゃんと見てましたか?
もうダンスやめる・・・
みたいな状態だと思ってください。
先生は、「これで分かるはず」と思っているけれど、教わる方にとっては全く十分ではない状態。
なのに、結果がダメだと「違うよ」「だめだよ」と言葉のムチが・・・
これでは、字を書くことを嫌いになっても仕方がないと思いませんか?
その② 手の力が弱い場合
お子さんのその様子、手の力が弱いかも?
えんぴつが正しく持てない、
文字の練習をことを嫌がる、すぐに投げ出す などの場合
「手の力」が弱いかもしれません。
文字を書く場合に「手」が担当するのはもちろん、「えんぴつを持つ・えんぴつを操作する」部分です。
えんぴつを操作する、とひとことで言いますが、実際にどのように手指を動かしているか、考えたことがありますか?
えんぴつで文字を書くときというのは、実は、
手のこゆび側と、おやゆび側を、別々に動かしている んです。
そう考えると、途端にけっこう難しいことのように思えませんか?
そうなんです。えんぴつを正確に操作するには、手指の器用さが必要なのです。
ぼくは、不器用だってよく言われるんだ~
実は、指先の器用さというのは、一般的にも発達段階の後の方で成長する部分なのだそうです。発達凸凹カラフルキッズが手指の不器用さを抱えやすいのには、そういった理由もあるかもしれませんね。
不器用な指先をつかって、くり返し文字を書くのは、こどもにとってとても疲れることです。そんな疲れる課題に向き合っているお子さんに対して、ついこんな風に指摘していませんか?
じゃあこのプリントをやろうか。
あ、えんぴつの持ち方がちがうよ・・・そうそう。
つぎはここだね。あ、また持ち方戻ってるよ!
なんでまっすぐ書けないの?
ああほら、姿勢がわるいのよ。シャキッと座る!
ねえ、左手どこ押さえてんの?
特性からくる「不器用さ」のせいで、手を思った通りに動かせなくて、こども自身もイライラしています。それなのに、いちいち細かく指摘されたら「うるさいな!」ってなりますよね。
気が付くと、つい言いたくなっちゃって・・・
いやだったね、ごめんね。
いいよ。ぼくもとちゅうでやめてごめんね。
でもね、お父さんも、えんぴつの持ちかたぼくといっしょだった!
字はきれいに書けてたよ。
・・・だな。
手の力が弱いとは、どういうことか?
?「手の力」が弱いって、握力が弱いってこと?
握力や指力(そういう言葉があるんです!)も含みますが、そのものずばり手の”パワー”のことだけではありません。手指をつかって行う「微細な運動機能」を含みます。
「手の力」とは、手指を繊細に細かく動かす機能=器用さ、巧緻性 はもちろん、視覚やイメージと呼応して、手で動きを再現する機能=協応性 や左手と右手、五本の指で同時に、別のことをする機能=協働性 など脳の中での連携機能までを含めたもの、ということになります。
手指を繊細に動かすためには、この「脳内連携」が必須です。多くの人が、あまり意識せずに行っていることですが発達に凸凹があると、各機能の上手さに差があったり、連携のスピードがゆっくりだったりするために「協応・協働」が難しい場合が多くなります。
つまり、文字を書く上で「手の力が弱い」というのは、
✔ えんぴつをきちんと持つこと、紙を正しく押さえることが苦手
⇒こうだよ、と見せられた通りに手や指を動かせない。指がすぐに疲れる
✔ 「書いている」動作を、別の動作に切り替えることが苦手
⇒線を止める、曲げる などがうまくできない
✔ すこし書くと、すぐに疲れる
⇒すぐに投げ出す、不真面目、やる気がないと誤解される
などという「困りごと」を抱えていることになります。
思い通りに動かない手と、すぐに疲れる指をつかって一生懸命頑張って書いているのに、出来上がったものには✖や△がたくさんついていて、もっとていねいに!この線はもっとみじかく!など赤ペンがたくさん・・・
これは、大人で言えば・・・
今日から、初めての事務仕事だ!
パソコンが苦手で不安だけど、
初心者歓迎って書いてあったし、頑張るぞ~
はい、ではパソコンで
この書類をデータ化してくださいね。
データ入力ね、キーボードは一応使えるわよ!
よーし、えーっと、「せ、い、きゅ、う、しょ」
「お、み、つ、も、り、しょ」漢字変換!・・・あれ?
あー、キーボードへの手の置き方が間違ってるね。
こう置くんだよ。
それから、「せいきうしょ」になってるね、そこバツ。
「おみつもりすよ」になってるね、そこもバツ。
タイプミス多いね~もっと丁寧に素早くやってね。
今日で辞めます!
みたいな状態です。
初めてのことを教わろう!苦手なことを克服しよう!と一生懸命取り組んでいるのに、あれもダメ、これもダメ、ついでこれもダメ、といろいろとダメ出しをされた上に、もっと丁寧にやりなさい、気を付けてやりなさい、と言われる・・・
これでは、文字を書くこと自体が嫌いになっても仕方ありませんよね。
文字を書くことが嫌いになる前にできることはある?
まだまだ体の機能が発達途上の子どもたちにとって、「えんぴつを操作する」のは、とても難しいということ。一生懸命やった結果に対して、ダメな点ばかりをいくつも指摘されるのはつらいこと。
お分かりいただけたでしょうか?
特に発達凸凹カラフルキッズは、その特性によって認知機能の弱さを抱えていることが多いため
通常よりも「困難さ」を背負っています。そのことを、ママ・パパも理解した上で、サポートしてあげましょう!
「見る」力のトレーニング
「見る」力は、いくつかの要素でできています。
それは、
「見つける」「数える」「(見て)覚える」「写しとる」「(見える部分から、見えない部分を)想像・推理する」 など。
すべての学習の土台となる大切な能力と言えますね。
この土台の部分をトレーニングできるのが、コグトレと言われる認知機能トレーニングです。
発達凸凹カラフルキッズは、まじめにやっているのに注意されたり、懸命に書いた文字に✖をもらったり、何かと自信喪失させられることが多かった子たちです。「どうせやってもまた失敗だ」と思い込んでいるかもしれません。
ママ・パパが今、一緒にトレーニングに取り組もう!と思ってくれているのなら、ぜひ!認知機能のトレーニングになりつつ、「頑張れば、できるようになる!」「僕がやることには、意味がある!」という自信、自己効力感 を身につけられるような内容のものを選びましょう。
「こんなに簡単なことを!」と思わずに、ぜひ、お子さんがどんどん自信をつけていく様子を見つめてください。
見る力のトレーニング 無料プリント
たくさんの絵の中から、
見本とおなじ絵をさがし出す練習です。
向きや大きさが変わると同じだと気づきにくい
それが「かたち」です。
視点を変えて見ることの練習になります。
たくさんの同じ絵柄を、
「かぞえて、まとめる」練習です。
幼児さんからのコグトレにも効果的です。
小学生もぜひ取り組んでみてください。
できた、ほめられた経験が自信を作ります。
手の力のトレーニング
「手の力」も、そのものずばりパワーのことではなく、
「手先の器用さ=巧緻性」「他の認知機能と呼応して動く=協応性」
「複数の体の器官を同時にコントロールする=協働性」
などのことでしたね。
これらは、教科書を開く、ノートをとる、プリントをそろえる、はさみや定規、コンパスなどの道具を使う など学校生活の中でも使う場面の多い、基本的な力です。
これらのことがうまく出来ない、という状態が続くと「自分ならやればできる!」と思える 自己効力感 が下がってしまう懸念があります。
そこで、コグトレの中でも運動機能の向上を目指すCOGOT=認知作業トレーニング を行うのがおすすめです。
これは、運動機能のトレーニングになるためプリント類で再現できることには限りがあります。
ですが、お子さんの文字がきれいになるようにサポートしたい!と思ってくれているのであれば、手指を繊細に動かすためのトレーニングはプリント類でも可能です。
自己効力感の向上も目指し、簡単なものもたくさん用意しました。
もう小学生なのに・・・と思わずに、タイムトライアルにしたり、親子で勝負したりなど、工夫して取り組んでみてはいかがでしょうか?
手の力のトレーニング 無料プリント
じょうぎで線を引くには、
両手をバラバラに使うことが必要です。
指の力も適度に必要になるトレーニングです
指先の器用さ=巧緻性は運動学習。
くりかえし学習でのみ身に付きます。
シール貼りは、最適のトレーニング方法です。
「見る力」の弱い子のためのひらがなの練習 無料プリント
見る力が弱く、お手本を真似するだけでは文字が上達しない子のために、ひらがなの書き方を一画ずつ言葉で説明しました。
一文字ずつ、鋭意制作中!
全4ページ!
✔ 「あ」の書き方を、一画ずつ説明 ⇒ 2ページ
✔ 一画ずつ、なぞる練習 ⇒ 1ページ
✔ 「あ」という文字を書く練習 ⇒ 1ページ
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