発達凸凹カラフルキッズのやる気は一瞬で燃え尽きる!
わが家の息子くんは、WISC4で「知覚推理(PRI)」だけが突出して低い、発達凸凹カラフルキッズ です。
一年生になり、宿題や自主学習などの「おべんきょう」を、わたしが家庭でサポートするという時間がふえてきました。
最近は、宿題も見てあげるのが当たり前の世の中。この「サポート」というワードがよく出てきますが、これ、カラフルキッズを抱える家庭では鬼門ともいえる地獄のキーワードです。
なにしろ息子くん
やる気になるのに時間がかかる
やる気が維持できる時間が短い
という、おべんきょうサポーターにとっては、こんなん笑顔で対応するのムリムリムリ!!! と100mあとずさりしたくなるダブルパンチの特性を持っています。
とはいえ、全検査IQは120オーバーの息子くん。一年生の学習内容で「難しすぎる」「理解できない」
ということはなさそうです。
ではなぜ彼のやる気は、一瞬で燃え尽きてしまうのか??
それは 脳がとても疲れやすいから。 理由はそれに尽きるのです。
発達凸凹カラフルキッズの、脳が疲れる理由って?
発達凸凹カラフルキッズの、脳が疲れる理由のひとつに、それは、彼らが日々の生活のなかで体験しているプチパニック があります。
たとえばわが家の息子くんの場合、WISC4の「知覚推理(PRI)」だけが合成得点(IQ)95 と低く、
それ以外の要素がIQ120オーバーという結果でした。最も高い「言語理解(VCI)」でIQ127なので、その差なんと32!
この数字、一般的にはかなり大きいと言えます。能力間の差のことを、”ディスクレパンシー”と言うのですが一般的に、ディスクレパンシー20以上は発達障害の疑いをもてるレベル、とも言われています。
ディスクレパンシーが大きい=得意なことと、苦手なことの差が大きい ということになります。
息子くんがお世話になっている臨床心理士の先生によると、この状態は、プチパニックが起こりやすい状況だそうです。
言葉が達者で、先生の指示も通りやすく、計算や書きとりなどの処理速度もそれなりにはやいため、「できないことがある」「ヘルプが必要」と思ってはもらえません。
本人も、僕はある程度一人でいろいろできなくてはいけない子、という認識があります。
それなのに、「知覚推理」能力が必要な場面になると、とたんに「ちゃんとできない」自分になってしまう。
どうしてできないんだろう?なんだか急に分からなくなっちゃった・・・
いつもなら、先生の指示の通りにできるのに、今日はなぜか、どうやっていいかわからない。
分かるはずのことが、わからない。
できるはずのことが、できない。
わからないし、できないから助けてもらいたいけれど、先生は僕のところに回ってこないし・・・とりあえずやってみるしかないか!とトライする。そうしたら、なんだか大失敗しちゃった!どうしよう!
学校での授業中や、おうちでの勉強中に、突然やってくるそういう 小さなパニックが彼らの脳を疲れさせている原因です。
脳が疲れる”プチパニック”ってどんなもの?
では、発達凸凹カラフルキッズたちが、一体どんな状況で、どういうパニックに陥っているのか?たまごちゃんの体験から、具体例をあげてみます。
その①体操教室でのプチパニック
年少のころから通っていた体操教室での出来事です。年長の中盤、2年お世話になった先生1名が異動のため、今日がそのコースでは最後の授業、という日。私は久しぶりに練習を見学していました。
楽しそうにとびばこやなわとびをするたまごちゃん。逆立ちあるきは、体育館を一周するほどできていて、ああ、送り迎えは面倒だったけど、続けさせてあげてよかった・・・と思っていました。
そして授業のさいご、先生は子どもたちを楽しませようと、少しあそびの時間をとることにしたようです。片足になわとびを結んでなわを回し、回ってきたなわをもう一方の足で飛び超える、という昔ながらのあそびをしよう、と提案してくれました。
みなさんも子どもの頃、やった覚えがないでしょうか?おもちゃだと、こういう商品もあるようです。
ほら、こうして足につけて、こうやってやるんだよ~♪と、先生は楽しそうにやって見せてくれます。
これまで、なわとびでそんな遊びをしたことはなかったようで、子どもたちはみなポカーンとしていますが、先生は、子どもたちの足になわを結んであげます。
最初はとまどっていた子どもたちも、見よう見まねでやってみるうちにだんだん飛べるようになっていきます。10分ほどやったら、全員がそれなりに飛び、できる子は飛びながら体育館を走り回っていました。
その間、たまごちゃんはどうしていたかと言うと・・・ 完全に棒立ち です。
最初は、とても楽しそうに先生を見ていました。足になわを結んでもらう列にも、うれし気に並びました。準備ができ、さあやってみようかな?となったとき、ハタと止まってしまうたまごちゃん。
先生を見ます。
友達を見ます。
みんな、利き足をスイっとうまく動かして、なわを回すようにしています。
たまごちゃんも、足を動かしてみます。でも、彼のなわはうまく動きません。何度かやってみます。うまくいかないので、困った顔をしています。
もちろん、ほかにも最初からうまくできない子はいます。ただ、先生が寄ってきて、「ほら、こうするんだよ!」と近くでやってみせてくれると、だんだんうまく真似できるようになっていきます。
先生のうごきを真似することさえできれば、なわはだんだん思い通りのうごきをするようになり、そうなれば、あとはくり返し飛んで慣れていくだけです。
先生も、たまごちゃんの前にも何度もやってきては「ほら、こうするんだよ」と見せてくれます。
たまごちゃんは、それを見ては真似してみるのですが、うごきが改善されることはありません。
自分のうごきと、先生のうごきのどこが違うのか、見て、やってみるだけでは気づけないのです。
ようは、真似しているつもりが、真似できていない ということです。
見学席から息子だけを見つめている(ヤバイ)母には、うまくいかない理由がだんだんわかってきます。ここからは、少しの間このあそびの動きの解説です・・・
たとえば、右足になわが結ばれているとすると、左足でなわを飛び越えたいので、なわは、右側から左側に向かって反時計回りに回ってくる必要があります。
右足のなわを反時計回りに回転させ、左足の前になわを持ってくるためには、いきなり右足のなわを左足側にふるのではなく、右足をいったん右側にふりだし、円をえがくように、足をうごかす必要があります。
そうすることで、なわはいちど右側にふられるため、左側にむけて足を回したときにより大きな反動をつけ、左足の前まで回ってくることができます。
たまごちゃんは、なわを左足の前に持ってくる、そのことがまず頭の中にあるために、右足を左側にむけて何度も蹴りだしては、なわがうまく動かずに困っていたのです。
何度やってもうまくいかずプチパニックを起こし、やがて完全な棒立ちに。
当時、たまごちゃんの発達凸凹には気づいていたものの、正しい対応方法を学んでいなかった私。あきらめて立ちつくすたまごちゃんにハッパをかけるべく、目があうたびに「やってみなさいよ!」とジェスチャーをしていました。
たまごちゃんはうつむき、棒立ちになり15分。一連のあそびが終わったときには、ぽろぽろと涙をこぼしていたのでした。
そこからは、先生とのお別れセレモニーの中、大泣きする息子をなだめるという地獄のような時間を過ごし先生へのあいさつもそこそこに、体育館を後にしました・・・
その②図工の授業でのプチパニック
たまごちゃんも、いろいろありながらもなんとか一年生になり、七夕が近づいてきた6月半ばごろ、図工で、おりがみを切ってを作るという授業がありました。
こんなやつです。
おりがみを折って ”わ”の部分を切り、パッとひろげると、いろいろな模様ができるというやつです。雪の結晶のような形や、ひっぱると伸びるかざりなどができます。
たまごちゃんの教室には大型ディスプレイがあって、先生の手元や教科書をうつし出せるようになっす。この授業は、先生がおりがみを折ったり、はさみで切ったりする様子をディスプレイにうつしながら
こんな風に折って、はさみで切って、ひらくと、ほら!きれいな模様ができますよ~
と説明する、授業形態だったようです。
先生が、おりがみをどのように折ったか?先生が、はさみでどこを切ったか? がはっきりみえるので、定型発達のお子さんたちにとってはとても分かりやすく楽しい授業だったと思います。
ただ、このケースはまさに「視覚-運動協応」という「見たものを、手や体を使って再現する能力」が求められますよね。「知覚推理(PRI)」が弱いたまごちゃんは、これがとっても苦手です。
「こうやって」「こうするんだよ」といったやって見せ、真似させるやり方だと、手順や方法を理解することが難しく、同じようにはできません。
頑張って自分なりに理解してやってみたところ、おりがみはバラバラになってしまい、模様はできませんでした。
この状況、彼にとってはプチパニックです。
息子くん、失敗したり、それを知られて恥ずかしかったりすると気持ちの切り替えが難しいタイプ。
先の見通しがつきにくい、というのはPRI弱めの子の特性でもあります。ここがダメだったから、こうやってもう一回やればできる!と筋道を立てて考え、その通りにやってみる、ということが中々できないんですね。
失敗すると、グズグズ泣いたり、「もうやらない!」と投げ出したり「お母さんのせい!」と怒ったりが日常です。
今回のプチパニックも、いつもの調子であれば、泣いたり、怒ったり、すねたり・・・授業の妨げになる状況が容易に想像できます。
でもたまごちゃんもさすがに一年生。年長さんの時よりも成長していました!
ここで先生に、
失敗しちゃったので、もう一度やり方を教えてください。
と言いに行けたそうです!!
このエピソード、はじめての保護者面談で、WISC-Ⅳの結果をもとに彼の特性を説明したところ、そういえば・・・と先生が教えてくれたものです。
「ヘルプを上手に出してもらって、助かりました!」
と、先生もおっしゃってくださいました。
上手くいった!と大人はほっこりのこの流れですが、息子くんにとっては、プチパニックから気持ちを立て直し、勇気をふりしぼって先生に声をかけた、ということです。
自分の立場に置き換えたら、それはきっと疲れただろう、と思います。
3.プチパニックとの付き合い方
息子くんのばあい、プチパニックのきっかけはやはり「思った通りにできない」ことです。また、「できないことが、恥ずかしい」ことも追い打ちをかけます。
発達凸凹、得意不得意の差があることを学んだ上で、臨床心理士さんともおはなしし、次のような対策をすることで、プチパニック発生時のトラブルを最小限にできるようになったと思います。
①「思ったととおり」が理想形すぎる!「できなくて当たり前」を教える
今日はこんなことやるけど、結構むずかしいヤツだね~
すぐにパッとできないかもしれないけど、心配いらないから!
先生に、やったらこうなっちゃった、って説明したら教えてくれるよ!
すぐできてる子いたら、すごいから「すげー!」ってほめてあげな~
といったように、事前に「失敗する可能性を予告」しておきます。なんてネガティブな!と思うかもしれませんが初めてのことはなんであれ、できる子がすごいのであって、できないことが当たり前。「できて当たり前」「できないなんてダメ」と思っているほうが、子どもにとって不健康ですよね。
「思ったとおり」にできないことでパニックが発動するので、「思ったとおり」のハードルを下げておきます。
②「できないこと」は恥ずかしくない!「できない・間違えた は役に立つ」を教える
これは特性だけでなく、性格的な部分もありそうですが、たまごちゃんは「失敗」「間違い」をとても恥ずかしがります。
実はこどもたち、おうちでの勉強やテストの不正解、ゲーム、お手伝いなどでのちょっとした失敗、
ふだんの会話のなかでの言い間違いや、勘違いなどまちがいを指摘される機会がとても多いんですよね。
そのたびに必要以上にショックを受けて、あれもこれも「失敗したくないから」もうやりたくない! になるとチャレンジすることができなくなってしまいます。
そこでわが家では「失敗」も「まちがい」もとにかくポジティブにとらえることにしました。
まちがいを指摘する際は、「やさしい声と表情で」「ゆっくりと」話します。
そしてさらに、そのショックを受けそうだと思ったら、思いっきり、歌って踊ります!
しっぱいは、上手になるモト♪上手になるモト♪助かるな♪
まちがいは、かしこくなるモト♪かしこくなるモト♪うれしいな♪
なにそれ~~(笑)
へんなの~~
リズムとメロディー、振り付けはご想像にお任せしますが、笑顔で、照れずに思いっきりやることでこどもも笑顔になってくれますよ!
そして、授業中だってみんなの前だって、失敗も間違いも全然OK!むしろ、先生は子どもたちの失敗と間違いは大歓迎なんだよ~
誰かが間違えてくれると、先生って「よし!かしこくなるモト発生!」って心の中で大喜びしてるんだよ~ と、くり返し言っています。
また、得意なこととも絡めて
たまごちゃん、お話上手だから
どうしてできなかったのか?とか、
どこで間違えちゃったのか?とか先生に説明できるんじゃない?
う~~ん、まあ、できるかも・・・
ほかにも同じ間違いしている子がきっといるから、
先生、たまごちゃんが説明してくれたら
すっごく助かると思うな~~
と、「先生の手伝いしちゃいなよ」くらいのスタンスに無理やり立ってしまいます。
脳が疲れる発達凸凹カラフルキッズ。疲れたらどうする?
どんなに親がこどもの発達凸凹を理解してしっかり対応していたとしても、彼らがまいにちの幼稚園・学校生活を送ることで脳を疲れさせていることに変わりはありません。
幼稚園では、年長の後半をほぼ登園拒否したたまごちゃん。
小学校へは、何とかがんばって登校しているものの、ときどき登校できなくなる時があります。いちばん多いのは水曜日。月、火と二日間頑張ったことで疲れています。
今日行っても、まだ木、金と学校にいかなくてはいけない。すると、「学校行きたくない・・・家でのんびりしたい」となるんですね。
臨床心理士さんなどには、「そりゃあたまごちゃんの場合は疲れますよ。休ませてあげちゃいましょう」と言われます。
そうです、ここでの正解は・・・
疲れちゃったんだね、今日は休もうか。
です。
事実、入学から数か月。
こういうケースでは、一日休ませると次の日は普通に学校に行けています。
なんですよね。
でも、でも・・・忙しい朝に「学校・・・」って言われるとつい「行けよ~!!」と思ってしまうんですよね!!ハッキリ言って私、口から出ていることも多いです!
そんな時、心理士さんから言われた、これを思い出します。
発達凸凹カラフルキッズに「毎日ちゃんと学校にいきなさい!」と言うのは、
普通の大人に「フルマラソンを、休まず全力で走りなさい」と言われているのと同じこと
そもそも、「毎日学校に行く」というタスク自体が 普通にこなせるレベルじゃない、ということです。そう思うと、
今日は休んで家にいな!
と言ってあげられます。
その後、家でゲームだ動画だと好きにしている彼に対して優しくできるか?はまた、別のはなし・・・
そんな時、一日のゲーム時間の延長権獲得のため、たまごちゃんはプリント学習をいつもより頑張ります。
プリント20枚やったら、ゲーム30分追加してくれる??
学校休んで家にいるなら・・・ちょっとコグトレなんてどう?
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じょうぎで線を引くには、
両手をバラバラに使うことが必要です。
指の力も適度に必要になるトレーニングです
指先の器用さ=巧緻性は運動学習。
くりかえし学習でのみ身に付きます。
シール貼りは、最適のトレーニング方法です。
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たくさんの絵の中から、
見本とおなじ絵をさがし出す練習です。
向きや大きさが変わると同じだと気づきにくい
それが「かたち」です。
視点を変えて見ることの練習になります。
たくさんの同じ絵柄を、
「かぞえて、まとめる」練習です。
幼児さんからのコグトレにも効果的です。
小学生もぜひ取り組んでみてください。
できた、ほめられた経験が自信を作ります。
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最初に見本の絵を見せて、見本を伏せ、問題にある複数の選択肢から、絵を選ぶ練習です。
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