この記事は、次のような方に向けて書いています。
✔ 「え」というひらがなをうまく書けないお子さんがいる
✔ 教えてあげたいけれど、どう教えればいいか分からない・・・
最後まで読むと、
✔ ひらがなの「え」の正しいかたちと書き方をお子さんに説明できるようになります。
✔ 「お手本を見て、まねする」だけでは字が整わない、「見る」力が弱いお子さんにも
かたちを理解してもらうことができます。
✔ 説明した内容に沿って、ひらがなの練習ができる無料プリントが印刷できます。
この記事を読んでいるのが、ひらがなを習い始めたばかりのお子さんのため、という場合はもじのかたちの説明 にすぐに進んでください。
もしも、お子さんが字を書くようになってずいぶん経つのに、どうもひらがなの形が整わない。
改めて教えなおすにはどうすればいい…?という理由でこの記事を読んでくださっている場合は
こちらの記事
文字のかたちがぐちゃぐちゃ!こどもの字が汚いと思ったら、認知機能をチェックしよう。
も参考になるかもしれません。
ぜひご一読ください。
「え」という文字の書き方
「え」という字は、大人でも上手に書くのが苦手な人もいるのではないでしょうか?
見れば見るほど、不思議な形をしていますよね。あまり見つめすぎると、ゲシュタルト崩壊まっしぐらです。
二画目の複雑さは、幼い子にとってはとても難しいです。行って、帰って、また行って、さらにグイン!と曲がる、長い線。
そんな動きを面白おかしく説明してあげて、「え」という字を好きになってもらいましょう。
「え」はすっごくむずかしいんだよ~
「え」はどんな形をしているのでしょうか?
「え」という文字のかたちのポイント
文字のかたち と言われても、大人にとってはあたりまえに書いている、ひらがなの一文字。
かたちを言葉で説明するのはなかなか難しいことです。
ここからは、「え」という文字のかたちを、いくつかのポイントに沿って説明していきます。
・上の線は、”ながいてん” だと思うといいです。ななめに下げて 書きます。
・ふたつめの線は、まず2回鋭く曲がります。カクっとおりて、ギュイーンと戻ると覚えます。
・特に、ギュイーンと戻るを 来た線と重ねて書くことが大切です。
・戻ったあとの線は、ほそいくるんで下におり、ななめではなくまっすぐおろすといいです。
2ばんめのせんは
たくさんまがるよ!
まず、かくっとおりて、
ギュイーンともどる!
そのあとは、ほそくくるんと
したへ おりるよ。
まっすぐしたから、
まっすぐみぎだよ。
くねくねまがってて、
かいてるうちにへんなかんじになっちゃうんだ~
「え」という文字の 一画目
ひとつめのせんは、
うえにある ”てん” だよ。
「う」というじの てん とおなじだよ!
1のへやと2のへやに またがるように
すこしななめに したにむけてみじかく かくよ。
ふたつめにかく せん に
くっついたり、かさなったり しないようにかくよ。
すこしはなれたところに なるように、
かきおわりのばしょを かんがえながら かこう。
あいことばは ながいてん、ピッ!
ながいてん、ピッ!
「え」という文字の 二画目 <前半>
ひとつめのてんの はじまりよりひだりがわ で、
1のへやと3のへやの
まんなかのよこせんより すこしうえ が
だいじな スタートちてん だよ。
スタートちてんから、すこしうえにあがりながら
2のへやにはいるよ。
2のへやにはいったら、
かくっとするどく おりかえして、3のへやにむかうよ。
3のへやのひだりしたまできたら、
こんどは さらにするどく、いまきたせんにかさなるように
マスめのまんなかの ばってんちかくまで もどるよ。
あいことばは、
カクっとおりて、ぎゅいーんともどる!
カクっとおりて、ぎゅいーんともどる!
たまごちゃん、
きた線に、重ねてもどることが、
とっても大事なんだって!
ぼくの「え」がちょっとカッコ悪かったのは、
もどる線が かさなっていなかったからかも!
「え」という文字の 二画目 <後半>
ギュイーンともどる、で
まんなかのばってんの すこしだけした まできたら
こんどは ほそくくるんと したにむかって おりるよ。
ひだりがわのとんがりと おなじたかさまできたら
みぎがわにまげよう。
4のへやの、みぎのすみちかくで とめるよ。
あいことばは、
まんなかまえに くるんとおりて さいごは みぎピー!
まんなかまえに くるんとおりて
さいごはみぎピー!
くるんとおりるのすきまには、
ほっそりたまごちゃんが入るよ!
みぎピー!のうえには、しかくいおとうふおじさんがのるかんじ!
「え」は、下から上にもどる線がポイント!
「え」をうまくかくためには、
なんといっても ぎゅいーんともどるせんが だいじ!!
このせんは、もときたせん と ほとんどかさなっているんだ。
くるんとしたにおりるときに はじめて
もときたせん と はなれるよ。
くるんとおりるのすきまには、
ほっそりたまごちゃんが入るよ!
みぎピー!のうえには、
しかくいおとうふおじさんがのるかんじ!
「見る力」の弱い子の書く「え」の文字とはどんなものなのか
「見る力」が弱いということは、もじのかたちが、なんとなくしか頭に入っていないということ。
もちろん、最初はどの子も同じですが、いつまでたっても文字のかたちがくずれている場合は、認知機能の弱さがかくれているかもしれません。
では、「見る力」が弱いたまごちゃんは、どんな「う」の文字を書くのでしょうか?
「見る力」の弱い子の書いた「え」の文字
例えばこちら。これは息子くんが一年生の春に書いた「え」です。
なんだかとても短足で、ちょっとバランスが悪いですよね。
もちろん、ひらがなを習い始めたばかりのお子さんは、こういう字を書いていても全く心配ありません。
が、たまごちゃんはもう字を書き始めて3年近く。「う」がこのバランスなのはちょっぴり悲しいです。
「見る」ことができる子は、くり返し書くうちにお手本とのちがいに気付き、まちがいを修正していくことができます。
でも、「見る力」が弱い発達凸凹カラフルキッズの場合、ただくり返し書いていても、まちがいは修正されません。
だから、かたちを言葉で説明してあげて、理解を助けてあげる必要があります。
この文字、どこがおかしい?
これまで説明してきた、「え」のただしい形と比べると、かなりバランスが悪いこの文字。どこがおかしいのでしょうか?
二画目の、「ぎゅいーんともどる」線が、もときた線と全く重なっていません。右ななめ上に、とても短く上がっているだけなので、
なんだかとっても 短足 です。
また、「くるんとおりる」が「カクっとおりる」になってしまっています。
ひらがなは、”まあるいせん” が多い字体です。
こどもにとって、”まあるいせん” は ”まっすぐなせん” よりバランスをとって書くことが難しいので、こどもの文字はカクカクしてしまいがちです。
くるんと ふんわり くるり くるりん といった音で、イメージを強く持てるよう、説明してあげるとよいでしょう。
ただ、この字にもほめポイントを見つけなくてはなりません。ありますか?見つけられましたか??
この文字、どこが素敵?
中々苦しいですが、一画目はとても上手ですね。
ななめに、「長い点」という感じがよく出ています。
また、 さいごはみぎピー! は とてもいい感じです。
私だったら、
「上の点と、下の線がきちんと離れているね!」
「さいごは みぎピー!のながさがちょうどいいね!」
と褒めてあげようと思います。
えんぴつを、思った通りに動かすことが苦手な発達凸凹カラフルキッズにとって、「え」の二画目の長くて、あっちこっちに曲がる線は、きちんと書くことがとても難しい線です。
今の手の動きを、別の動きに変える(線を曲げる、線を止めるなど)ことが急にできないので、線が暴れてしまいがちなのが、”見る力”の弱い子の特徴です。
この「え」は、線をしっかりとコントロールして、こぢんまりとまとめて書けていませすね。
これは、一生懸命ていねいに書いた証拠。たまごちゃんにとってははなまるです!
さあ、ほめましょう!!
たまごちゃん!
さいしょのせん が
とってもきれいに書けたね!
ながいてん、ピッ!だよね。
さいごはみぎピー!も
ちょうどいいながさだね~
よく見て書けたね!
発達凸凹カラフルキッズは、うまく出来ることと、出来ないことの差がとても激しいのが特徴。自分がうまく出来ていないことを、痛いほどよくわかっていることが多いです。
だからカラフルキッズは、自信をつけにくい。ママ・パパがお勉強に関わる中で、とにかく大切になるのは、「ほめる」こと。
ここも違う、あそこも違う、そこなんてこの間教えたばっかりのところ!!なんて、すぐ指摘したくなるところを、ぐっとこらえて「できているところ」だけじゃなく、
「(できてはいないけど)頑張った形跡」
「前回より、ちょっとでもよくなったところ」
を、とにかくたくさん探し出して、たくさんたくさん、ほめてあげてください。
「え」の練習プリント
ここまで説明してきた「え」の書き方を
読みながら 練習できるプリントです。
全4ページ!
✔ 「え」の書き方を、一画ずつ説明 ⇒ 2ページ
✔ 一画ずつ、なぞる練習 ⇒ 1ページ
✔ 「え」という文字を書く練習 ⇒ 1ページ
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