手のトレーニング ③はさみをつかおう
ちいさいお子さんは、大人がハサミを使っているのを見て、「自分もやってみたい!」と言いだすことがありますよね。この時が、お子さんの「巧緻性=手先の器用さ」を伸ばす大きなチャンスです!
発達凸凹カラフルキッズは、手先の器用さの発達が遅れていることが多いため、折り紙やハサミなどが苦手で、工作などが上手にできないことがあります。一生懸命やっているのに、「雑な性格」「丁寧に作業をしない=不真面目である」などと思われがちなこともあり、手先をつかう作業に「苦手意識」がある子がとても多いです。
「じょうぎをつかおう」でも触れましたが、子供にとって右手と左手で同時に別々のことをするのは難しいこと。さらに、ハサミをなめらかに使うには「紙を動かす手=非利き手」の動きがとても重要になります。
特に、まるく切る時は、非利き手でもっている紙を、ハサミの動きに合わせて調子よく動かす必要があり、「目と手の協働」に困難のある子にとってはイライラの募るチャレンジかもしれません。
「目と手の協働」が難しい子には、まず「まっすぐの線」「短い線」を練習させてあげましょう。ハサミの動きの調子が上がってきたらギザギザやカーブへと進み、最後に丸へとステップアップしていってください。
うまくいかなくてイライラしたら、怒ったり、一緒になってヒートアップせず、そこでさくっとやめてしまって大丈夫。また機嫌のいい時に、どのように手を動かすかなどを優しくことばで説明し、改めて取り組んでみたらよいのです。
発達凸凹カラフルキッズは、自信を失いやすく、つけにくいのが特徴です。幼児でもできるような課題を・・・と言わず、簡単なことから「できた!」を繰り返し、お子さんの「やる気」「自信」を育ててください。
はさみをつかおう 無料プリント
こちらは、はさみの上手な使い方を、写真と言葉でまとめたプリントです。
プリントで練習する際に、このプリントをお子さんと一緒に読んで、どうやって使うとじょうずに切れるかを確認しましょう!
練習していると、うまくはさみが動かせずにイライラするタイミングが出てくると思います。その時は、このプリントに一度戻って、どこが違ったのかを確認するとよいと思います。
こちらは、はさみを1回開いて、1回閉じるだけの動きで「チョッキン!」と切りはなせる長さのベルトを7枚ずつ作れる練習プリントです。
まずママ・パパが青い線でベルト状に紙を切り離してあげてください。ベルト状の紙を持ち、ハサミで点線を切っていくと、四角いパーツに分かれていきます。
モンテッソーリ教育でも、はさみのおしごと としてよく実施されている巧緻性トレーニングで、はさみを初めてつかうお子さんの、「できた!」「楽しい!」を作るのに最適です。
チョキン!と1回切りに慣れてくると、作業がつまらなく感じるかもしれません。そんなお子さん向けに、切った絵をのりで好きなように張り付けて遊べるシートも用意しました。
自分で切ったものを、使ってみることで自信がついて練習がたのしくなるかもしれません。
つぎは、1回チョキン!ではなく、何度かチョキチョキと動かす必要のある長さの練習です。
大人が赤い線で切り取ってあげてからスタートします。
切り取る問題でないので、切り終わりにも「チョキン!」と刃を閉じきるのではなく、刃の根本を使って切り進め、最後まできたら開いて止める、ということを覚えられるといいですね。
「お顔の方まで切らないように気を付けよう!」
「サンタさんや乗り物まで切らないように、途中で止めようね!」などと声かけをしてみましょう。
こちらは、ギザギザした線を切る練習プリントです。
まずは、向きを変える目印となる「てん」があるシートから練習し、そのあとは、ギザギザに紙を切り取る練習ができます。
きれいに切り取れた!うれしい!という気持ちを大切にしたいですね。
次に、なめらかにカーブする線を切る練習です。
はさみで一番難しいのは、実は”紙”を動かす利き手ではない方の手の動きです。なめらかにカーブする線を切る時は、紙もなめらかに動かす必要があるため、ギザギザよりもワンランク上の難しい動きになります。
ここがうまくできるようになると、「まる」をきれいに切れるようになります。
お子さんが、うまくできなくてイライラするようなら「一回切り」や「まっすぐ切り」に躊躇なく戻ってあげてください。