こんにちは! Ocar です。
この記事は、
「うちの子、いわゆるグレーゾーンってやつなんじゃ?」
「ほかの子が簡単にできることを、どうしてうちの子はできないのかしら・・・?」
「先生からも、ちょっと目をつけられているみたい。」
など、お子さんがどうやら困りごとを抱えているようだけど、一体なにが問題なのか、普段の様子を見ていても、具体的にはよくわからない・・・
というママ・パパに向けて書いています。
ちまたで言われる、”いわゆるグレーゾーン”の子どもたちが、どんなことで、どうして困っているのかを、子どもたちの 認知機能 の面から説明しています。
いやいや、すぐに無料のプリントが欲しい!という場合は下の目次からジャンプしてくださいね!
発達凸凹・グレーゾーンのこどもたちをサポートしたいママ・パパへ
「グレーゾーン」という、ちょっと悲しげな名前で呼ばれるこどもたちがいます。
この記事を読んでくれているあなたも、お子さんのそういう可能性を指摘された、または「うちの子もしかして・・・?」とその可能性を疑っている。
そういう状況かもしれません。
Ocarのひとり息子、Tamagoちゃんも、
いわゆる「発達凸凹・グレーゾーン」と呼ばれる子のひとりです。
では、グレーゾーン とは、具体的にどのような状態のことなのでしょうか?
グレーゾーンとは、困りごとの多い子どもたちの総称。
グレーゾーンとは、医療的な診断名ではなくあくまでも通称です。
「発達障害」の特性・症状がみられるものの、医学的な診断基準をすべて満たしておらず、「発達障害」の診断がつかない状況のこどもたちのことを言います。
発達障害ではない=定型発達(いわゆる「ふつう」の子)である、という等式が成り立たない人間世界の中で
困っているけど、どうしてなのか理由が分からない。
困っているけど、理由がないから助けてもらいにくい。
そんなこどもたちが、いわゆる「グレーゾーン」ということになります。
この記事では、そんなママ・パパが、お子さんの「どうしよう」「困った」をサポートできるように、彼らの困りごとについて、またそのサポート方法について解説しています。
グレーゾーン ⇒ カラフルキッズ 呼び変えてポジティブに!
わが家の息子くんも、能力ごとの発達凸凹をかかえる、いわゆる「発達凸凹・グレーゾーン」といわれるこどもの一人です。そして、「グレー」というのがなんだかとっても暗いので、わが家では「グレーゾーン」を「カラフルキッズ」と呼び変えています。
能力ごとに、できることもできないこともあるけれど、どの子もそれぞれ、その子にしかない「色」をもっている。その「色」を持ち寄って、人生をカラフルに彩ってほしいという思いを込めています。
ぼくも、グレーより
カラフルが好きだなあ~
ひとの能力は、十人十色。
なんでも85点の出来、という人もいれば、一つの事では150点をとれるけれど、一方では取れても20点、といった風に、得意と不得意の凸凹が大きい人もいるのです。
もしも、あなたの周りにも「グレーゾーン」という暗い響きに肩を落としている人がいたら、ぜひ、「あら、とってもカラフルな子なのね!」と声をかけてあげてください!
カラフルキッズの生きづらさ、それは「認知機能」の弱さが原因
多くのカラフルキッズは得意と苦手の差がはげしく、初めてやることへの不安や、出来ないことへの抵抗感も強いです。
特に、学校生活においては、先生からの指示を素早く理解して従うことや友人関係・社会生活での暗黙の了解を理解すること、「場の空気」を読むことが、求められますよね。
実は、こういった「模範的なこども」としてのふるまいには、色々な「認知機能」を少しずつ使う必要があります。
1.先生の話を「聞く」
2.指示を「覚える」
3.友達や先生の気持ちを「推し量る」
4.場面ごとに出る指示を、別の場面に「応用する」
などなど。
カラフルキッズは、能力間の凸凹が大きいわけですから、この「平均的に少しずついろんな能力を使う」ことが、どうしても苦手な場合が多いのです。
聞いた指示を「覚える」ことが苦手なために、指示通りに動くことができず、注意される。
友達の気持ちを「推し量る」ことが苦手なために、相手を怒らせてしまうことがある。
などなど。
発達凸凹を抱えたカラフルキッズにとって、学校生活・集団生活は、なかなか苦しい修行の場なのです。
この記事を読んでくれているママさん、パパさん。
いま、こんな悩みを抱えていませんか?
真面目なタイプのはずなのに、
学校では「集中力がない」「授業中にふざけがち」と
意外な評価をされているようだ
うちの子、それなりに利発な方だと思っていたのに
このところ学習面でつまづきを感じているみたい・・・
お子さんに感じる、意外な不器用さ や やる気の空回り…原因のわからない成績の低迷や、様々な困りごと…
それは、「認知機能」の弱さが原因かもしれません。
認知機能とはなにか?
認知機能とは、「見る力」「聞く力」「覚える力」「(ルールに)気付く力」「見えないものを想像する力」など、いくつかの要素にわかれる、知的機能のことです。
ここでは、それぞれの機能について少し解説していきます。
見る力
「見る力」とは、ここではいわゆる「視力」とは違う機能を言います。
ただ、「そのものが視える」ということではなく、「見たものから、正しく情報を得る」「見た情報を、手や体にアウトプットする」ところまでを複合した力ということになります。
これは、「見つける」「数える」「(見て)覚える」「写しとる」「(見える部分から、見えない部分を)想像・推理する」など、すべての学習の土台となる大切な能力ですね。
こどもの知能検査として日本で最も使われているWISC Ⅳでは「知覚推理指標(PRI=Perceptual Reasoning Index)」として計測される能力です。
発達凸凹カラフルキッズには、もちろんいろんなタイプがいるのですが、「見ることが得意で、聞くことがちょっと苦手(視覚優位)」な子がやや多い傾向です。
様々な支援ツールなどに、図解や表などを多用して「見てわかる」タイプのものが多いのはこのためですが、見る力が弱い子は、こういったツールにもあまり恵まれていない点も理解して、対応してあげる必要があります。
体育や図工の授業では、「見て真似する」場面が多いため、苦手意識を持つ子も多いかもしれません。
家庭でも、洋服たたみや料理のお手伝いなどの場面でつい、「こうやって、こう!」といったように「見て、真似する」やり方で指示をしてしまいがちです。
見る力が弱めのお子さんをお持ちの場合は「言葉で説明して、理解させる」ような工夫をし、「できた!」という自信をたくさんつけさせてあげましょう。
聞く力
「聞く力」も、ここではいわゆる「聴力=聞こえるかどうか」ではなく、「聞いた内容を、一時的に覚える」「聞いた内容を正しく理解し、行動する」などの複合力のことを言います。
これは、「聞く姿勢になる」「(聞いて)覚える」「(聞いて)理解する」など、学校生活を送るうえで欠かすことのできない能力ですね。
特に、「聞いたことを、一時的に覚える」力は、先生の指示に従う場面でとても重要になりますし、ともだちや家族などとのコミュニケーションを円滑にするためにも必要です。
「聞く力」は、知能検査のWISC Ⅳにおいては、言語理解指標(VCI=Verbal Comprehension Index)やワーキングメモリー指標(WMI=Working Memory Index)などで測られます。
例えば、先生が授業中にこんな指示を出します。
教科書の102ページを開いて、文章を読んだら、
次のページにある問題のうち、3番~7番の問題を、ノートに書き写して解いてください。
この文章には、読むべきページ、次すべき行動、問題の場所、番号、どのようにやるかなどの指示が矢継ぎ早に入ってきます。
書き出すと、「一文での情報量が多いな!」と感じますが、現実では、このような指示のある場面はかなり多いですよね。
「聞く力」が弱い子の場合、このような指示が
教科書の102ページを開いて、文章を〇※?△◆、✖△◎¥¥=に!〇▽※※
〇※◇■問題を、?✖▽〇◆ てください
のように、聞こえています。
ポイントポイントが頭に入ってこないという状態ですね。
声は聞こえているし、聞こうという姿勢もあるのに、指示の内容が理解できず、周りが動き出すのをみてあたふたしてしまう。
このように、授業中に先生の指示が通りにくい子の場合、「きちんと授業を聞いていない子」「真面目に指示に従わない子」 といった評価を受けやすくなります。
そのせいで学校が楽しくない、だから行きたくない!などとならないように、お子さんの特性をよく理解した上で、担任の先生などと共有できるといいですね。
想像する力
この力も、いわゆる「空想」する力のことではなく、「見る力」と「聞く力」に「考える力」を加えた複合能力でのことです。
これは、物事の流れからパターンを読み取り、次にくる物事を予測(推理)する、物語(原因と結果)を理解する、人の行動や事象から先の見通しを立てる、ボディーランゲージや表情から、人の気持ちを感じる など社会で生きていく上で、持っていないと生きにくいと言える能力です。
WISC Ⅳの4つの指標では、視覚推理指標(PRI)などに現れ、「思考力」「応用力」などと呼ぶこともできそうです。
例えば、初めてのことに、自分のこれまでの経験を応用して取り組む なども、実は想像力を必要とするものです。
例えば、前日の図工の授業中に
リボンは長くてやわらかいので、厚紙に巻いて片づけましょう!
と言われていたとします。とくに発達に凸凹のないお子さんの場合、たいがいは
毛糸もリボンとほとんど同じだから、毛糸も厚紙に巻いて片づけたらいいんだな!
と考えて、特別な指示がなくても行動できます。
ところが、想像力・応用力がない子の場合
毛糸は片づけたことがないから、片づけ方の指示があるまでこのままにしとこう。
となります。
同じような形状のものでも、別物であるという認識から出られず、似たような課題が「初めて見る課題」に見えているのです。
何であれ、初めての事はハードルが高く難しく感じますよね。チャレンジすることに、人より勇気と努力を必要とするのが、”想像する力”の弱いカラフルキッズだとも言えます。
この子たちの場合、チャレンジしたことをきちんと大げさに褒めてあげたいですね。特に、「取り組み始めた」タイミングで声をかけられるとベストです!
コグトレとは何か?
ここまで説明してきた「認知機能」の弱さから、「不真面目」「やる気がない」「努力不足」などとマイナス評価されやすいカラフルキッズ。
そんな「しんどさ」「生きづらさ」を抱えたカラフルキッズのために考案された、「認知力」を高めるエクササイズ、それが「コグトレ」=認知トレーニング です。
コグトレの生みの親は、児童精神科医でもある立命館大学・宮口幸治(みやぐち・こうじ)先生 です。今や多数の著書もあり、この記事をご覧のみなさんには、すでにおなじみの先生かもしれません。
コグトレの誕生について、宮口先生ご自身のインタビューや、専門機関の解説などをご覧になりたい方は、一度下記をご参照ください。
特別支援のトビラ(東京書籍)
宮口幸治先生 インタビュー「しんどさに気づかれない子どもたち」【前編】
宮口幸治先生 インタビュー「しんどさに気づかれない子どもたち」【後編】
コグトレには、3種類のトレーニングがあります。
1.認知作業トレーニング Cognitive Occupational Training (COGOT)
2.認知機能強化トレーニング Cognitive Enhancement Training (COGET)
3.認知ソーシャルトレーニング Cognitive Social Training (COGST)
「認知力」とは、様々な学びの土台となる大切な能力です。
この土台が育っていないと、学習が進んでいくにつれ、「わからない」「できない」がたくさん出てくるようになります。
土台が弱ければ、そこに各教科の学習効果を積み上げることはとても難しいことですよね。
カラフルキッズの多くが、自分の土台の弱さを知らずに、一生懸命がんばっている状態です。
そんな彼らに、わたしたち親ができること。
彼らの土台の弱さを少しでも補えるようにコグトレ=認知機能のトレーニング をさせてあげることかもしれません。
無料のコグトレプリントはこちらから!
「コグトレ」という言葉自体、最近とてもよく聞くようになりました。
ドリルや本もたくさん出てきましたが、息子くん自身が、楽しみながら毎日気楽にとりくめるもの。
わたし自身が、意味を理解しながらイライラせずにとりくめるもの。そういう条件が付くと、私たち親子にあうものは多くありませんでした。
そこで、ないなら作っちゃおう!と自身でプリントを作り始めて約一年。ある程度の量もできたので、せっかくならと無料公開に踏み切りました。
わが家の息子くんは、特に「見る力」が弱いため、これまで私が作成したプリントも主に「見る力」のトレーニングのためのプリントとなっています。
下記に、種類別の公開ページをリンクしていますので、ご興味があればぜひクリックしてみてくださいね。